阿刀田高の短編で、
「夜間飛行」という小説があります。
ふいに亡くしてしまった不倫相手がつけていたのは、
「夜間飛行」という香水だった。
彼女にまた会いたい、
会えたらいいのにと焦がれて開けたエレベーターから、
ふんわりと漂うのは、
「夜間飛行」の残り香だった。
ガラスの肖像【電子書籍】[ 阿刀田高 ]こんなストーリーです。
初めて読んだのは、
中学生のころでした。
多分に多感なお年頃です。
高校生になって、
初めて手に入れた香水は、
でも、
残り香のさりげない、
プチサンボンでした。
まだ、
香水の似合うオトナではないと、
躊躇しちゃったんですよね。
その頃の青写真では、
40代にはオトナの予定でしたが、
まださっぱりです。
その香りが、あなたのイメージになる
![](https://i0.wp.com/kurochya2bottan.com/wp-content/uploads/2020/09/photo-1528756514091-dee5ecaa3278.jpg?resize=300%2C450&ssl=1)
香りと言えば、
もうひとつ。
Papa told me というマンガのエピソードです。
化粧品メーカーに勤める「百合子ちゃん」が、
小学生の姪に自社製品のモニターを頼んだとき、
こんな話をしていました。
社会人になったばかりのころ、
これに挑戦したのです。
これと決めたのは、
ラベンダー。
眠りを誘う、
あの花です。
でもまあ、お察しの通り、
目的成就せず、現在に至ります。
お金も、手間もかかりすぎて、
分不相応だったのでした。
元々使っている化粧品シリーズで、
全部揃えられれば良かったんですけど、
そんなラインナップもなく。
結局、残ったのは、
練香だけです。
![](https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/1cfe5738.fabcb7d4.1cfe5739.82ec1ce2/?me_id=1353178&item_id=10000717&pc=https%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2F16zakka%2Fcabinet%2Fhocoro%2F06305544%2Fneri%2Fneri_d_3ko.jpg%3F_ex%3D240x240&s=240x240&t=pict)
いくつかあった香水も手放しましたから、
身に着ける香りは、
ミニマムで過ごしています。
揮発するスピードがゆるやかで、
限定的にふんわりと薫るので、
気分転換に重宝します。
職場のデスクにも、ひとつ置いています。