昨今のコロナ禍の影響で、おうち時間が増えましたよね。
自宅で犬たちを過ごす時間も、また然り。
我が家には3匹の犬がいますが、彼らと遊んでいると、もう仕事など行きたくなくなります。
そして家にいると、つい美味しいものに手が伸びます。
そうなると、犬たちにもおすそ分けしたくなるのが人情ってものです。
でも、ちょっと待って!
飼い主の人間は好物でも、犬にとっては、命取りになる食べモノが実はたくさんあります。
今回は、おうち時間のお供にぴったりでも、犬たちには与えてはいけないもの、
チョコレートとお酒の危険性について紹介します。
チョコレート
チョコレートの危険成分
チョコレートに含まれる「テオブロミン」という成分が、犬にとっては毒になります。
テオブロミンとは、興奮剤やドーピングに使われることもある物質ですね。
神経や心臓を刺激しますが、作用が強すぎれば、けいれんや不整脈を誘発してしまいます。
人間であれば、肝臓でこの成分を解毒・分解しますが、犬はその能力が弱いのです。
その結果、毒素排出のための下痢や嘔吐が生じます。
一方で、テオブロミンによる興奮作用も出ますから、犬の体内では大変なことになってしまうわけです。
もちろん、死に至るリスクもあります。
チョコレートの致死量
テオブロミンは、カカオに含まれています。
つまり、カカオの含有量が高いチョコレートほど、危険性が高いです。
ちなみにテオブロミンの致死量(犬)は、おおよそ100〜200mg/kg程度とされています。
ミルクチョコレート100gのテオブロミン含有量の目安は、250mg程度。
体重5kgの犬では、50gほどの板チョコ4枚でアウトです。
ちなみに、一般的な板チョコが1枚60g前後ですね。
ただし、ダークチョコレートなどハイカカオの製品では、半量からそれ以下でも危険な場合があります。
チョコレート以外でも・・・
チョコレートは、身近な食品のあちこちに含まれています。
- チョコチップクッキー
- チョコクリームの入ったパン
- ファストフードのシェイク
それ以外にも、カカオを多く含む「ココア」も要注意です。
お酒・アルコール
昔、何かのマンガでしたか、それとも映画だったでしょうか。
主人公が、飼っている犬と、迷い込んできたニホンザルと、日本酒で一杯やっていました。
場所は、主人公の自宅で、座敷だったはず。
文字にすると妙ですが、情景としてはとても楽しげで、子ども心に憧れました。
でもね、犬にアルコールはNGです。
それも、少量で命を落とす危険性があるのです。
アルコールを分解できない
犬は、アルコールを分解できません。
体質的にアルコールを分解できない、下戸のひともいますよね。
その方々と同じです。
犬の体内に入ったアルコールは、急速に吸収されたまま、分解されることなく、体内をめぐります。
まず心配なのは、脳への影響でしょう。
酩酊・ふらつき・頭痛・・・。
転倒しても体制を保てず、骨折や頭をケガするリスクもあります。
また呼吸が苦しい、不整脈、肝臓・腎臓の機能を阻害するなど、全くいいことはありません。
犬自身が、
今日はむしゃくしゃするから、
飲まずにいられないんだわ
なんて、思うはずもないでしょうしね。
アルコールを勧められるのは、犬にとっては、ありがた迷惑でしょう。
アルコールの致死量
ほんの少量でも、アルコールは犬に影響を及ぼします。
目安としては、犬の体重1kgにつき、アルコール5.6ml。
ちなみにおちょこやショットグラスで、1杯が約15~20mlです。
小型犬なら、ぺろぺろ舐めただけでも危険な場合があります。
もう少し詳しく解説しましょう。
アルコール度数で致死量を比較するとこうなります。
- ビール(アルコール度数5%)なら、110ml
- ワイン(アルコール度数15%)なら、37ml
- 日本酒(アルコール度数40%)なら、14ml
うーん、具体的にみると、その少なさが際立ちます。
人間(下戸でないなら)、どうってことない量ですけど、だからこそ、
ちょっとだけだし、いっかな~
それが命取りと覚えておきましょう。
なお、
- アルコールを含むウェットティッシュ
- スーッと清涼感のあるマウスウォッシュ
- 焼く前のパン生地(イースト発酵でアルコールが生じている)
このようなモノも注意が必要です。
もし、食べて(飲んで)しまったら?
とにかく動物病院に電話をしましょう。
何をどのくらい、いつ食べてしまったのか、
メモに書いておいて、正確に相談しましょう。
チョコレートも、アルコールも、犬によっては、少量でも命にかかわります。
ネット上では、様々な情報が溢れており、
○○kgの△△犬なら、◇◇くらい食べても平気
そんな風に書かれている記事も見かけます。
でもネット上で例として挙げられているその犬は、あなたの(私の)犬ではないのです。
獣医さんに、怒られちゃう・・・と心配ですか?
そんなの当たり前でしょう。
っていうか、怒られるくらいで済むなら、ラッキーだよ。
犬の命が助かる方が大事だよ。
チョコレートやアルコールの中毒は、
飼い主が防げる事故なんだから、
あなたがしっかりしてください。
これ、かかりつけの獣医さんの言葉です。
実は、犬たちと晩酌したいな~なんて呟きまして、
がっつり怒られたのでした。
で、この記事のいろいろを勉強したのです。
みなさまも、お気をつけくださいね。
もし、犬の多頭飼いにご興味があるなら、こちらもぜひ。
ウチのクロ・茶々・ぼたんの話です。