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【お金で解決できる】優しい世界

あいまいな話
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もう覚えているひとは少なくなりましたが、

札幌に菊水部落・サムライ部落と呼ばれた地域がありました。

その日暮らしで、貧しさの底辺にある人々、

小さな旅芸人の一族、

住所や戸籍のない生活を送るひと。

そんな地域です。

もう80年以上前に、そこで生まれたひとを

担当していたことがあります。

金森さん(仮名)、

小柄なおじいちゃんでした。

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金で解決できるなら、安いもんだ

金森さんは、独り身でした。

廃品回収や古物商の会社を経営して、

けっこう羽振りのイイ様子もありましたが、

俺みたいなモンは、

結婚なんて贅沢品なんだぜ

と、言うのです。

俺は、生まれがアレだからさ、

結婚なんてできないのよ。

どこで生まれたかって、

絶対変えられないぜ。

いくら金を積んでもさ。

今はもう、サムライ部落なんて、

知っている人も少ないですが、

金森さんの若いころは、

ここの出身者というだけで、

できないことがたくさんあったと言うのです。

お金をたくさん用意できても、

門前払いされたようです。

恋人との結婚、まっとうな就職先、銀行の適正な融資・・・

まるで、

お前には、そんな権利はないと

言われているような気分だった。

糸のように細い目の金森さん、

いつも笑っているような表情が、

その時は泣いているように見えました。

お金で解決できる、優しい世界

もうひとつ思い出すのは、

旧ソ連の話です。

崩壊前夜の1980年代。

計画経済の失敗で、

お店の棚は空っぽ。

いくらお金を持っていても、

買えるものがない。

品物を手に入れるには、

店頭にいつ並ぶか察知する情報網と、

長~い行列に並べる体力と時間が必要だった、と。

ロシアは今日も荒れ模様 (講談社文庫) [ 米原 万里 ]

人脈とか、

善意とか、

ボランティアとか

そういうものも悪くないです。

でも、

それは、

ちょっと状況や風向きが変われば、

もしくは、

登場人物が誰なのかで、

簡単にご破算になってしまいます。

その気になれば、

お金が役に立ってくれる世界で、

ホント、私は暮らせてよかった。

だいたいのことを、

お金で解決できるって、

優しい世界だと思うのです。