我が家で暮らす犬たちは、3匹とも子犬のときにやってきました。
でも本当は、成犬を迎え入れることも考えていたのです。
犬を飼うと言えば、子犬を連想しがちではないでしょうか。
子犬は、もう無条件でかわいいものです。
でも成犬を家族に迎え入れることにだって、実はたくさんのメリットがあります。
今回は叶いませんでしたが、私自身が魅力に感じていたことや、成犬から飼うときの注意点をご紹介します。
成犬から飼うメリット
体格や性格が定まっている
成犬は、基本的には「その犬らしさ」が定まった状態です。
つまり、こうです。
- 体格が確定している
- 性格がわかっている
特に大型犬では、子犬の頃とは比べものにならないくらい、大きく成長します。
そして大型犬が流行すると、
こんなに大きくなると思わなかった・・・
そんな理由で遺棄する飼い主が問題になります。
成犬を迎え入れるなら、そんな不幸なミスマッチは、起こりにくいのです。
また、性格傾向がはっきりしていることで(穏やか・社交的・人見知り・・・)、飼い主側も対応の心づもりがしやすいことも、メリットでしょう。
それに、多頭飼いをする場合も、先住犬との相性を検討できます。
基礎的なしつけは入っている
それまでの過ごし方に左右されますが、成犬の場合は、基本的なしつけが身についている例が多いです。
トイレや食事の作法、簡単なコマンド(「待て」「よし」「座れ」など)。
それだけでも理解していれば、飼い主の負担は大きく減ります。
ちなみに、ウチの末っ子ぼたん。
子犬とは言え、生まれたお宅で4か月ほど過ごしてから我が家にきました。
実家では、トイレはトイレシートにするものと既にしつけされていたので、私はトイレトレーニングをしていません。
これが、どれほど楽だったことか!
元の飼い主(知人)には、本当に感謝しています。
飼い主側の準備がしやすい
成犬の場合は、子犬よりも迎え入れる準備がシンプルです。
好きなごはん、必要なトイレトレーやシーツ、お気に入りの寝床・・・。
どれもはっきりしています。
子犬の場合は、成長に合わせて変更する必要があります。
それも短期間にです。
また引き取る前から、子犬の好みを推測することもなかなか難しいです(子犬自身もわかっていないかも)。
それに生活環境についても、成犬の方が必要な状態が明確です。
- おなかが冷えやすい
- 犬より人間が好き
- 雨の日の散歩はイヤ
- ケージで寝る
- インターフォンに吠える
- 段差は怖がる・・・
我が家の環境に合いそうか、どんな準備をするべきか、イメージが容易なのです。
成犬から飼うデメリット
我が家に合う合わない・犬にとって快適かそうでないか。
これを判断しやすい成犬ですが、もちろんデメリットもあります。
新しいしつけが入りにくい
子犬と比べれば、新しい「しつけ」は入りにくいとされます。
困った習慣(吠えグセ、噛みグセ、トイレ以外での排泄など)がある場合、それをやめさせるのは大変です。
まあ、これは自分(人間のオトナ)に置き換えても、納得は行きます。
長年の習慣は、たとえ悪いクセとわかっていても、なかなか直せないものです。
犬種や年齢、性格にも左右されますが、犬が身に着けているクセや習慣は、個性のひとつと考えるべきでしょう。
その上で、飼い主との生活に馴染めそうか、見当が必要です。
トラウマになる体験があるかもしれない
困ったクセや習慣のある犬は、そのきっかけとなった「トラウマ」を抱えている可能性があります。
暴力や飼育放棄のような過酷な体験までいかなくても、人間側の不注意で、イヤな体験をする場合もあるでしょう。
知人が飼っているレトリバーは、飼い主とドライブに出かけた際、ちょっとした経験がもとで、車に乗ることをとても怖がるようになったそうです。
知人いわく、その時はほんの5分ほど、犬を残して車を離れたそうです。
その短い間に、何者かが窓ガラス越しに犬を刺激したらしく、それがトラウマになったのだとか。
子犬は、先入観なく、日々のあれこれを受け入れてくれますが、成犬はそうではない。
妙な行動、ちょっとした抵抗があれば、その理由を推しはかる必要があるのです。
病気やケガのリスク
成犬は、年齢が高齢になるほど、病気やケガのリスクが高くなります。
その結果、医療費がかさんだり、飼い主による看病も必要になります。
幼少期の子犬も、ケガや体調不良は多いものです。
ただ、子犬の場合は、成長すれば一旦落ち着くケースがほとんどです。
成犬は、これから病気・ケガが多くなっていくことを念頭においておきましょう。
お別れが早い
その成犬の年齢や体調にもよりますが、迎え入れてからお別れまで、それほど時間の余裕がない場合もあります。
それが、子犬との一番大きな違いかもしれません。
愛犬には長生きしてほしいし、ずっと元気でいてほしい。
それは私も同感です。
ただ一方で、飼い主も高齢である場合は、子犬の生涯に添い遂げられないケースもあります。
飼い主を失くした犬は、本当に辛い思いをするでしょう(精神的にも、物理的にも)。
それを考慮して、あえて中高年齢の成犬を迎え入れるというのも、飼い主・犬にとって互いにメリットのある選択肢でしょうね。
実際に、私の身の回りでも、そのような話を耳にするようになりました。
多頭飼いのために迎えるなら?
多頭飼いをしようとして、新たに迎える場合、成犬と子犬ではどちらが相応しいでしょう。
ネット上でも、様々な意見や体験談が書かれていますよね。
子犬の場合は、無邪気で物怖じせず、新しい環境に馴染みやすい。
でもその反面、無尽蔵のパワーで、先住犬を疲弊させてしまうこともあります。
一方で成犬の場合は、社交的な犬ならば、基本的なマナーも生活習慣も心得ていて、先住犬とも仲良くしやすい。
ただし、新しい習慣や環境に馴染めない犬もいます。
子犬も成犬も、どちらがイイとは言えないようです。
それで、かかりつけの獣医さんに相談しましたら、簡潔にひとことで返ってきました。
そりゃ、犬によるでしょ!
確かに。子犬か成犬かでは、短絡的に決められない。
多頭飼いするために迎え入れるなら、その犬がどんな性格で、先住犬との相性はどうなのか。
丁寧に確認し、時間をかけて双方を慣れさせて様子をみるのが、結局は近道だということです。
成犬を迎える、という選択肢
いかがでしたか?
子犬は確かに無条件で可愛らしく、どんどん成長する過程を楽しめるのが魅力です。
ただし、まっさらな画用紙と同じで、飼い主の接し方次第で、どんな犬になるかが左右されます。
一方で成犬は、飼い主のパートナーとして、準備を済ませた状態と言えます。
その犬が身に着けてきたクセや習慣はあるものの、それは個性のひとつとして、飼い主の生活や性格に合うかどうかで、迎え入れを検討できます。
実は我が家では、いずれ4匹目を迎え入れたいと考えています。
その時は、保護団体から成犬を迎え入れようと計画中です。
それまでに、犬たちとの付き合い方をもっと勉強しておこうと思っています。
もし、犬の多頭飼いにご興味があるなら、こちらもぜひ。
ウチのクロ・茶々・ぼたんの話です。