犬を迎え入れるとなると、まず一般的なのはペットショップです。
基本的には愛くるしい子犬で、ベッドやフードなどもその場で購入できます。
ペット保険も相談できて、なかなか便利です。
でも、それ以外に、犬の里親になるという選択肢をご存知ですか?
飼い主を失った犬や、野生から捕獲された犬たちを、保健所や保護団体などから引き取る方法です。
これはペットショップのように、手軽に犬を飼いはじめることは難しい反面、「犬と暮らしていくこと」をじっくり検討し向き合えるやり方とも言えます。
今回は、犬の里親になるという選択肢について詳しくお伝えします。
保護されている犬たち
保護犬は減っている?
【全国の犬・猫の引取り数の推移】
環境省自然観光局が公表したところによると、保健所などで保護される犬の頭数は、はっきりと減少傾向です。
S49年とR1年に保護された犬の頭数では、40倍近く差があります。
ちなみにこの表には飼い主が手放した犬も、野犬化して保護された犬も含まれます。
【全国の犬・猫の返還・譲渡数の推移】
一方で、譲渡される犬たちの頭数は、やや微減傾向です。
この表では、迷い犬を飼い主に返還した頭数も含まれますので、譲渡数は見た目より少ないかもしれません。
保護された犬を引き取って育てること
これは、まだまだ知名度は高くなく、オーソドックスな手段とは言えない印象です。
どんな犬が保護されている?
最も多いのは、飼い主が手放した犬たちです。
- 子犬を迎え入れたが、面倒を見きれない
- 予想より大きな犬になってしまった
- 引っ越しに犬を連れて行けない
そしてこれらに加えて、最近は飼い主の高齢化も理由のひとつです。
- ひとり暮らしのじいちゃんが飼っていたが、入院した。
- 飼い主のばあちゃんが急に亡くなった
私は病院に勤めていますが、こんなエピソードは珍しくありません。
入院した患者さんや、遠方に住む子供さんに代わって、保護団体に引き取りを依頼したこともありました。
なお、その際に保護団体の方から聞きましたが、
- 子犬が保護されることも一定数ある
- 純血犬ばかりを保護している団体もある
子犬や純血種の犬たちを迎えたい場合も、保護団体は選択肢となるのです。
里親になる方法は?
犬の里親になる場合、方法は大きく分けて2つあります。
- 保健所や保護団体から直接引き取る
- 里親サイトや情報掲示板などから、里親を募集する人に連絡する
保健所や保護団体では、インターネットや広報で飼い主募集するほか、譲渡会を開催する場合もあります。
里親になるために必要な条件は?
保健所や保護団体
保健所から引き取る場合、里親に求められる条件を紹介します。
- 譲渡を希望する保健所と同じ都道府県に住んでいる
- 未成年ではない
- 家族全員が賛成している
- 犬の飼育が許可された家に住んでいる
- 必要な衣食住を与え、犬が亡くなるまで飼育する意思がある(宣誓書にサインする)
- 保健所の実施する研修に事前参加している
これらは、全国の保健所で提示される最低条件です。
犬が飼えないマンションに住んでいるとか、家族に犬アレルギーがあるなどは、譲渡されません。
高齢者のみの世帯であったり、一人暮らしで多忙な場合も、不適合と判断された例があるそうです。
子犬なら10年以上は生きる可能性が高いし、健康な犬はお散歩も必要ですからね。
また個々の保健所や保護団体で、独自に上乗せルールを定めているケースもあります。
たとえば、
- 犬を引き取る前に、スタッフが飼い主宅を訪問する
- 引き取り希望者が高齢なら、後見人が必要になる
- 譲渡後は、犬の写真を定期的に保護団体へ提供する
詳細は、それぞれの保健所や保護団体に問い合わせが必要です。
里親募集サイトや掲示板
里親募集サイトや掲示板を元に直接連絡する場合は、基本的には個人でのやり取りとなります。
先方が思い入れのある飼い主なら、いろいろと条件を提示するでしょう。
もちろん頓着せず、とにかく急いで引き取ってほしいと希望する場合もあります。
個人間でやりとりする場合は、どんな環境で、どんなしつけをされて、生活習慣が整っているかなど、積極的に確認する必要があります。
番外編:我が家の犬たちも・・・
我が家の犬たちは、知人宅で生まれました。
その知人は、保健所から保護犬を定期的に引き取って暮らしています。
保護犬が人に慣れたら、知り合いや希望するひとに譲る。
これを繰り返している人です。
- 保護した犬が妊娠していた
- 避妊手術を受けていない犬を引き取った
そんな保護犬の子犬たちが、我が家にやってきました。
厳密には、「犬の里親」とは少し違いますが、こんな方法もあるのです。
ペットショップ以外の選択肢もある
いかがでしたか?
ペットショップ以外にも、犬と出会う方法はあります。
それが保健所・保護団体だったり、里親募集の掲示板だったりするわけです。
犬は10年以上も生きる動物です。
自分と出会ったときに既に成犬だったとしても、それからまだ長い時間を過ごしていけるパートナーです。
犬の里親になることも、選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。
もし、犬の多頭飼いにご興味があるなら、こちらもぜひ。
ウチのクロ・茶々・ぼたんの話です。