職場の病院では、
患者さんやご家族のお話を聞く時間が
とても長いです。
もちろん、
ただの友達関係ではありませんから、
状況を聞き出したり、
こちらからお伝えすることがあって、
患者さんと会います。
あいさつ程度から、
一気に要件を説明して、
それでおしまい
一件落着(*’▽’)
こんな面談でも、まあ、
ダメではないですが、
ちょっと気をつけるだけで、
患者さん(家族さんも)の反応がまるで違います。
黙っていること、うなづくこと
何のひねりもないようですが、
この、黙って聞くということ、
できる人は、けっこう少ないです。
特に、専門職。
医師も、看護師も。
それから栄養士やリハビリ。
素人さんに話していれば、
相手の反応は、
だいたい想定内のもの。
ひっかかるポイントも、
不安に感じることも、
手に取るようにわかります。
なので、
相手が言いかけた言葉尻に割り込んで、
どんどん説明、しちゃうんですよね~
でも、これ、
あなたの話なんて、
聞く必要がないのよ
素人なんだから、
黙って言うことを聞きなさいよ
という、メッセージにもなります。
で、このパターンって、
医師からコメディカル(看護師・その他の医師以外の職種)へ
業務上の打ち合わせや指示をするとき、
よくあるコミュニ―ケーションなのです。
命が最優先の現場ですし、
別に構いませんけどね、
ちょっと嫌な気分になるときもあります。
これに気がついてから、
というか、
何かの研修で聞いてから、
自分が始めた面談では、
特に初めて会う方のお話は、
区切りがつくまでのひと通り、
黙って聞くことにしています。
最初の一押し、会話の始まりは、
こちらで作ることが多いですが、
そのあとは、
うなづく時間がずーっと続きます。
聞いているだけの時間は、
いろんな意味で辛いときもあります。
そうなんですが、
ひと通り話をし終えたどこかのタイミングで、
患者さんの気持ちが
ふっと軽くなる瞬間があります。
これ、見たらわかるってレベルです。
表情とか、声とか。
すると、こちらまで、
柔らかい気持ちになりますね。
あなたの話は、
価値のあるものです、と
伝わった感触もあったりして。
たまたま病院で出会っただけの、
ホント通りすがりみたいな出会いですが、
患者さんや家族さんの
人生にちょっと関わったみたいな、
そんな一瞬です。
こういうやりとりがあるので、
この仕事が楽しいと思うのです。
早期リタイアは、したいですけども。