こんにちは、しゅりです。
今日はちょっと真面目な話をします。
先日、漫画家でエッセイストのさくらももこさんがお亡くなりになりました。
私自身は、ちびまる子ちゃんの放映開始と同時期に小学生に上がりました。
主題歌のおどるぽんぽこりんは、小学校2年生の学級ソング(担任アレンジの替歌で)だったことが、懐かしく思い出されます。
ご冥福をお祈りいたします。
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さくらももこさんは、乳がんでした。
報道によると、10年来の闘病だったそうですね。
発病時は標準治療を受けたものの、再発時には抗がん剤治療を選択せず、補完代替治療に傾倒していたんだとか。
詳しい事情を知らないので、あれこれ言うべきではありませんが、「標準治療を選択していれば・・・・・・」と思わずにはいられません。
乳がんと言えば、予後が良いがんの部類に入るだけに、医療機関に勤めるものとしては残念な気持ちになりました。
毎年のように、がんを患って補完代替治療に傾倒し、標準治療の第1選択肢として受けずに亡くなる芸能人の話題が報じられますね。
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その補完代替治療、です。
健康保険外の鍼灸、健康食品、食餌療法、マッサージや温熱療法、伝統医療、様々なものがありますね。
宗教的なものも、散見します。
そして、だいたいは高額な費用が必要です。
なぜ高額になるのか。
最大の理由は、健康保険が効かないから、ですね。
健康保険が適用されない理由は、何でしょう。
効く、という客観的なデータがないから、です。
(諸外国で採用されている薬剤でも、日本では承認に時間がかかるという問題は、また別の話として)
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高額な費用がかかること以外に、心配なことはふたつ。
※標準治療とは、手術・抗がん剤など薬物治療・放射線治療のことです。
いわゆる、保険証を使って病院で受ける治療ですね。
★補完代替治療に傾倒して、標準治療を受けなくなる(ひともいる)
★補完代替治療が、標準医療の効果を邪魔する可能性があること(悪影響を及ぼすこともあります)
補完代替治療と言っても、その範囲はとっても広いのです。
音楽療法やアロマテラピー、鍼灸、一部の温熱療法など、標準治療の副作用の辛さを和らげるものもあります。
でも、健康食品系は、成分構成によっては抗がん剤治療とケンカしてしまうのです。
高濃度ビタミンC療法なんて有名ですが、学術データとしては、何のがんにも推奨されません。
ご興味をお持ちなら、以下のサイトで詳しく解説されています(推奨サイトも掲載)
国立がん研究センター
https://ganjoho.jp/hikkei/chapter3-1/03-01-11.html
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ただ、ですね。
実際のところ、患者さんはとっても無防備だな、と感じます。
誤解を恐れずに言えば、「弱っている」というか。
二人に一人は罹患するとはいえ、
すぐに死ぬというイメージはかなり薄らいできたとはいえ、
やっぱり告知されれば、大きな衝撃でしょう。
そこへ、例えば近所のおばあちゃんが訪ねてくるのです。
「手をかざせば治るから、やってあげる(宗教系)」
「この延べ棒でこすれば治るから、道場に行こう」
例えば、知人が心配そうな顔で勧めてくるのです。
「知り合いが、××療法でがんを治したよ」
「それって、がんもどきじゃない?」
例えば、離れて住む子供たちが必死に調べて、持ってきます。
「この粉末で、がんが治った人がいるらしい」
「あそこの××治療は、保険適応外だけど、著名人も受けている」
補完代替療法を勧めてくるのは、金儲けが目当ての人だけではないのです。
善意でいっぱいの知り合いが、親身になってくれているのです。
「いらん」って断るのもパワーがいります。
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患者自身や、大切な人ががんになったとき。
補完代替医療を試してみようとしているなら、ぜひ主治医に相談をお勧めしたいです。
この記事のように、最近の医師は親身になってくれる人が多くなったように感じます。
言いにくかったら、看護師や相談員にそっとお話しするのもありですし。
生きたいと思うひとが、その手段を逃さないような仕組みが整うといいなと思うのです。